若手社員のモチベーションが継続するチームビルディング

現代のビジネスパーソンにとって、ひとつの企業で経験を積むことだけが正解ではありません。しかし、人事の立場で考えるとせっかく採用・教育した若手のモチベーションを維持できず、次々に離職。結果として人員計画が思うように進まないといった課題につながります。

ビジネスチャットの台頭や、予期せぬ在宅勤務によるリアルな対話の減少――。コミュニケーションに劇的な変化が起こっている今、若手社員のモチベーションコントロールは困難を極めています。そこで今回は、「若手社員のモチベーションを維持するチームビルディング」について考えます。
この度のコロナ騒動で、チーム作りやコミュニケーションのあり方について改めて考える企業も多いかと思います。今回ご紹介する取り組みはすぐに実践できるものもありますので、参考にしていただければ幸いです。【執筆:株式会社MAP代表・飯田健太郎】

1.若手社員のモチベーションが続かない3つの理由

そもそも、若手社員のモチベーションが続かない理由は何でしょうか?

与えられることに慣れている、ハングリー精神が希薄といった、若い世代特有の価値観によるもの。仕事への慣れからくるマンネリ感、給与や待遇面への不満など、仕事そのものや会社への不満。飽きっぽさなど本人の資質によるもの、さまざまな要因が考えられます。

しかし、仕事の意欲が減退する要因は、以下の3つに集約されるのではないでしょうか。

・仕事や会社に愛着が持てない
・日々の業務に変化がなく、自身の成長が感じられない
・自己評価と他己評価がずれている

いったん失った仕事への情熱を取り戻すのは容易なことではありません。一度落ちた意欲は二度と戻らないと考え、最初からモチベーションを落とさない仕組みをもつチーム作りをすべきです。

グループ企業含め従業員数129人(2020年3月時点)、平均年齢29.5歳と若いメンバーが中心である弊社が実際に取り組んでいる施策を交えながら、モチベーションを維持するチーム作りのポイントをお伝えします。

2.オーナーシップとメンバーシップのバランス

私がチームビルティングにおいて最も重視しているのは「自社の仕事に対する誇りを育む」ことです。愛社精神にもつながる考え方として、事業に対する「オーナーシップ」と、組織に属する「メンバーシップ」のバランスを常に意識しています。

特に、組織に貢献したいという強いメンバーシップを育てることは難しいものです。弊社では自身の業務だけでなく、事業全体の目標や課題を全社員が共有し、組織と個人業務の関連性を強く意識できる業務設計をすることで、メンバーシップを育成しています。

例えば営業担当者が個人の数字を追うだけでなく、新たなマーケティング手法を提案したり、業務効率化ツールの導入を担当したりするケースが、弊社ではよくあります。組織に貢献するために部署の垣根を越え、誰もが自由に、活発に意見できるような業務設計をしているからです。

若い社員や社歴の浅いメンバーの提案が歓迎される風土を作るためには、上司の意見には逆らわない、リーダーのアイデアは重用すべしといった保守的な考えをしないことがポイントです。

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